はじめに:「いい提案=通る提案」ではない時代
「よい提案をしたのに、なぜか通らない…」
「資料はきれいだけど、反応が薄い…」
そんな経験、ありませんか?
実はコンサルティングの提案書には、**ロジック・構成・伝え方のすべてが揃ってはじめて“通る提案”**になります。
本記事では、現場で通用する「成果が出る提案書」の構成と書き方を、実例つきテンプレート形式で徹底解説します。
1. 提案書とは“問題解決の設計図”である
まず最も大切なことは、**提案書は「売り込みの資料」ではなく「課題解決の設計図」**だということ。
クライアントは、あなたの商品やサービスそのものよりも、
「自社の課題をどう解決してくれるのか?」を知りたがっています。
2. 成果が出る提案書の基本構成【全体マップ】
以下が、王道の構成です:
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表紙・概要(提案書タイトル・日付・提出者)
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提案背景(市場動向・課題の可視化)
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課題の整理(現状→課題→ギャップ)
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解決策の提示(アプローチ・施策案)
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スケジュール・体制(期間・ステップ・体制図)
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期待される効果(成果見込み・定量/定性)
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見積・契約条件(オプション案含む)
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まとめ・次のアクション提案
3. 各パートの書き方とポイント解説
✅ 1. 表紙・概要ページ
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タイトルには「成果物・目的・期間」が入っているか?
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クライアントの社名が入っていると親切
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提出日・担当者名も明記
例:
「◯◯株式会社様向け|中期採用ブランディング施策提案(2025年7月〜2026年6月)」
✅ 2. 提案背景(なぜこの提案なのか?)
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クライアントとのヒアリングや市場環境をもとに、“問題の重要性”を描く
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競合事例やデータを挟むと説得力UP
例:
「Z世代の採用競争が激化しており、企業の“選ばれ方”が重要に」
✅ 3. 課題の整理(見えていないギャップを可視化)
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現状 → 課題 → 目指す状態 のフローで整理
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図解・マトリクスなどで視覚化するとGood
例:
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現状:認知度は高いが応募率が低い
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課題:ブランドイメージと実態にギャップ
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解決:社内のリアルを伝える採用広報強化
✅ 4. 解決策の提示(どうアプローチするか)
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具体的なアクション(施策名・進め方)を明示
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段階的アプローチ(フェーズ分け)も効果的
例:
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フェーズ1:現状分析+ターゲット設定
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フェーズ2:採用ページ改修+動画コンテンツ制作
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フェーズ3:SNS活用+効果測定
✅ 5. スケジュール・体制(安心感と現実性を出す)
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月次や週単位でのスケジュール表
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プロジェクト体制図(自社・先方)を含めると明確に
✅ 6. 効果予測(この提案で何が得られるか?)
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KPIとKGIを示す(例:エントリー数/採用単価/認知度など)
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定量が難しい場合は“定性的成果”も記載
例:
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インナーブランディング強化
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社員満足度向上
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SNS経由での応募数増加見込み など
✅ 7. 費用と契約条件(“高すぎる”印象を防ぐ)
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シンプルに価格と内容を並べる
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成果・内容と連動するよう説明を添える
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オプションや分割案があると柔軟性の印象を与えられる
✅ 8. まとめ・次ステップ(提案で終わらせない)
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内容の要約
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次のアクション(例:再打ち合わせ、契約書提出、社内稟議用資料提供)
4. 提案書の実例テンプレート(構成だけ抜粋)
5. よくあるミスと改善ポイント
ミス | 改善策 |
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ロジックが飛んでいる | 「現状→課題→解決策」の3点セットで書く |
サービス説明に偏る | クライアントの“悩み視点”で構成をつくる |
長すぎる/読みづらい | 1スライド=1主張+1ビジュアルを基本に |
まとめ:通る提案書は「構成」で8割決まる
よい提案をしているのに通らない…その原因の多くは、「構成の見せ方」「伝え方」のズレにあります。
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課題が明確に整理されているか
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解決策に納得感があるか
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相手が“判断しやすい”形で提示されているか
この3つを意識して書くだけで、提案書の通過率は確実に上がります。