「コンサルティング提案書」の構成と書き方を徹底解説|成果が出る資料のつくり方とは?

投稿者: | 2025年8月5日

はじめに:「いい提案=通る提案」ではない時代

「よい提案をしたのに、なぜか通らない…」
「資料はきれいだけど、反応が薄い…」

そんな経験、ありませんか?

実はコンサルティングの提案書には、**ロジック・構成・伝え方のすべてが揃ってはじめて“通る提案”**になります。
本記事では、現場で通用する「成果が出る提案書」の構成と書き方を、実例つきテンプレート形式で徹底解説します。


1. 提案書とは“問題解決の設計図”である

まず最も大切なことは、**提案書は「売り込みの資料」ではなく「課題解決の設計図」**だということ。

クライアントは、あなたの商品やサービスそのものよりも、
「自社の課題をどう解決してくれるのか?」を知りたがっています。


2. 成果が出る提案書の基本構成【全体マップ】

以下が、王道の構成です:

  1. 表紙・概要(提案書タイトル・日付・提出者)

  2. 提案背景(市場動向・課題の可視化)

  3. 課題の整理(現状→課題→ギャップ)

  4. 解決策の提示(アプローチ・施策案)

  5. スケジュール・体制(期間・ステップ・体制図)

  6. 期待される効果(成果見込み・定量/定性)

  7. 見積・契約条件(オプション案含む)

  8. まとめ・次のアクション提案


3. 各パートの書き方とポイント解説

✅ 1. 表紙・概要ページ

  • タイトルには「成果物・目的・期間」が入っているか?

  • クライアントの社名が入っていると親切

  • 提出日・担当者名も明記

例:
「◯◯株式会社様向け|中期採用ブランディング施策提案(2025年7月〜2026年6月)」


✅ 2. 提案背景(なぜこの提案なのか?)

  • クライアントとのヒアリングや市場環境をもとに、“問題の重要性”を描く

  • 競合事例やデータを挟むと説得力UP

例:
「Z世代の採用競争が激化しており、企業の“選ばれ方”が重要に」


✅ 3. 課題の整理(見えていないギャップを可視化)

  • 現状 → 課題 → 目指す状態 のフローで整理

  • 図解・マトリクスなどで視覚化するとGood

例:

  • 現状:認知度は高いが応募率が低い

  • 課題:ブランドイメージと実態にギャップ

  • 解決:社内のリアルを伝える採用広報強化


✅ 4. 解決策の提示(どうアプローチするか)

  • 具体的なアクション(施策名・進め方)を明示

  • 段階的アプローチ(フェーズ分け)も効果的

例:

  • フェーズ1:現状分析+ターゲット設定

  • フェーズ2:採用ページ改修+動画コンテンツ制作

  • フェーズ3:SNS活用+効果測定


✅ 5. スケジュール・体制(安心感と現実性を出す)

  • 月次や週単位でのスケジュール表

  • プロジェクト体制図(自社・先方)を含めると明確に


✅ 6. 効果予測(この提案で何が得られるか?)

  • KPIとKGIを示す(例:エントリー数/採用単価/認知度など)

  • 定量が難しい場合は“定性的成果”も記載

例:

  • インナーブランディング強化

  • 社員満足度向上

  • SNS経由での応募数増加見込み など


✅ 7. 費用と契約条件(“高すぎる”印象を防ぐ)

  • シンプルに価格と内容を並べる

  • 成果・内容と連動するよう説明を添える

  • オプションや分割案があると柔軟性の印象を与えられる


✅ 8. まとめ・次ステップ(提案で終わらせない)

  • 内容の要約

  • 次のアクション(例:再打ち合わせ、契約書提出、社内稟議用資料提供)


4. 提案書の実例テンプレート(構成だけ抜粋)

diff
■ 提案書タイトル
「◯◯株式会社様向け|Web集客改善提案書(2025年度)」
■ 提案背景
– 現状のWebサイト流入とCV率に課題あり
– 競合他社とのギャップが生まれている

■ 課題の整理
– LP構造に離脱ポイント多数
– ターゲットとの訴求がずれている

■ 解決策
– LP再設計(訴求軸明確化+ファーストビュー改善)
– ヒートマップ分析による動線設計

■ スケジュール
– 7月:現状分析・設計
– 8月:制作/実装
– 9月:効果測定・改善提案

■ 費用:月額 300,000円(3ヶ月契約)
■ 担当:◯◯(連絡先)


5. よくあるミスと改善ポイント

ミス 改善策
ロジックが飛んでいる 「現状→課題→解決策」の3点セットで書く
サービス説明に偏る クライアントの“悩み視点”で構成をつくる
長すぎる/読みづらい 1スライド=1主張+1ビジュアルを基本に

まとめ:通る提案書は「構成」で8割決まる

よい提案をしているのに通らない…その原因の多くは、「構成の見せ方」「伝え方」のズレにあります。

  • 課題が明確に整理されているか

  • 解決策に納得感があるか

  • 相手が“判断しやすい”形で提示されているか

この3つを意識して書くだけで、提案書の通過率は確実に上がります。

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